中小企業診断士 一次試験 令和二 (2020)年度 「C 企業経営理論」の解説

C 企業経営理論

問題(PDF)解答(PDF)

第1問

VRIOフレームワークとは、企業が有する経営資源について4つのチェックポイントを課するものだ。

VRIO Framework
一つも満たしていない競争劣位
Value: 価値がある競争均衡
Rarity: 希少性がある一時的競争優位
Inimitatability: 模倣困難である持続的競争優位
Organization: 組織的に管理されている経営資源の最大活用

第3問

(エ)垂直統合には、供給元や原材料生産者を統合する後方統合と、販売チャネルや小売業者を統合する前方統合とがある。

(オ)ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)がゼロに近づくと市場は完全競争に近づき、最大値の10000では独占市場である。

第5問

SWOT分析では企業の内外の環境を強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)に分類している。強みと弱みは内的な成長誘因、機会と脅威は外的な成長誘因である。

第11問

保有している株式が少なくても、株主であればその会社に対してオーナーシップがある。

第13問

(ア)公式機関が規格を制定することをde jure standardという。

第14問

C. I. Barnardは経営者や従業員のモチベーションに焦点を当てて組織論を説いた人物だ。

Barnardの理論を知らなくても、問題文の「経営者の役割」という文言から選択肢を絞り込める。

第17問

  • 単純組織: 同等な立場の人物で構成される。創業初期のベンチャー企業などが該当する。
  • 単一職能別組織: 部門毎に職能が分かれており、ボトムアップで意思決定が行われる。
  • 集権的職能部門: 単一職能別組織が進化したもの。研究開発・調達・生産・販売といったプロセスごとに部門を作り、それらが集権的に管理される(垂直統合)。
  • 複数事業部制組織: 集権的職能部門が関連多角化し、製品や地域に応じて事業部を持ったもの。
  • 世界的職能部門制組織: 世界的複数事業部制組織では事業部毎の独立性が高いため、それらの事業を統合することで規模の経済を発揮できるようにしたもの。

「イギリス大企業の経営戦略と組織」(中本)も参考になる。

第19問

動機づけの過程理論と呼ばれるものには、目標設定理論(goal-setting theory)や公平理論(equity theory)、期待理論(expectancy theory)などがある。

公平理論が他者との比較によって動機づけられるのに対して、期待理論は仕事の報酬によって外発的に動機づけられる。

V.Vroomの期待機論では、モチベーションは「報酬の実現確率」✕「誘意性(報酬の魅力)」で決まる。

第22問

competencyは仕事の成果については評価しない。

第24問

(ア)ここでいう「役務」とは、サービス業やコンサルティングを指す。

第25問

  • (イ)「休憩時間の一斉付与」とは、事業場の従業員に対して休憩時間を一斉に与えること。フレックスタイム制においても例外ではない。
  • (ウ)高度プロフェッショナル制度を導入できる年収要件として「年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準」というものがある。また労働基準法第37条では、休日労働に対する割増賃金は、通常の賃金の3割5分以上、深夜業に対する割増賃金は2割5分以上と定められている。

第29問

設問1

セグメンテーションとは、標的とする市場の適切な範囲と規模を見定めることである。

設問2
  • (ア)この文は、市場浸透戦略(ペネトレイション戦略)ではなくスキミングプライシング(上澄み吸収価格)を説明したものだ。
  • (イ)この文は、威光価格を利用した価格戦略を説明したものだ。
  • (ウ)この文は、コストベース価格設定を説明したものだ。
  • (エ)非常に多くの競合企業間で激しい競争が展開されているということは完全競争市場であるので、生産者と消費者はいずれもプライステイカーである。
  • (オ)この文は、需要志向型価格設定を説明したものだ。

第30問

(エ)この文は、ティザー広告を説明したものだ。

第31問

  • (ア)O2O戦略 (Online to Offline戦略)とは、オンライン上で潜在顧客の関心を引き、実店舗(オフライン)に誘導するマーケティング手法のこと。
  • (ウ)プラットフォーマーは自社のプラットフォーム上で必ずしも自社の製品・サービスの販売をしない。

第32問

設問2

製品ミックスについてはIndeedの記事が分かりやすい。

(ウ)製品ラインが深すぎた可能性もある。

第34問

設問2
  • (イ)想起集合とは、消費者が製品を購入したいときに想起するブランドの集合のこと。
  • (ウ)製品に使用されている材料などについてのブランディングを成分ブランディングという。

第36問

  • (ア)Affordanceとは、人が物に対してどのように扱うことができるかを意味する。
  • (ウ)視神経は交差しているので、どちらかと言えば画像は左、文字は右が適当だ。いずれにしてもこのようなルールは一般的ではない。
  • (エ)製品価値には、基本価値・便宜価値・感覚価値・観念価値がある。
  • (オ)この文は、移転可能性を説明したものだ。防御可能性とは、ブランド要素を法律上・競争上の観点から守れるかということ。

第37問

  • (ア)現場スタッフが顧客と接する瞬間のことを「真実の瞬間」という。真実の瞬間を重視して現場スタッフの権限を強化した組織構造を「逆ピラミッド」という。
  • (ェ)高度成長期は国内の市場が拡大していた時期なので、新規顧客獲得が重視されていたと推測できる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です