高校数学 東京大学1986 (昭和61)年度 理系前期入試問題の解説

解答例

第1問

1980年度第6問が類題。

AとBを同時に固定してCを動かすと、ACまたはBCがxy = 1の接線になる事から求める方法もある。

第2問

楕円の面積を扱う問題では、円に変換するのが定番だ。

与えられたcos (π/12)の値は、一見すると何に使うのか不明だ。しかしπ/12という情報から、15°刻みの角度が関わってくるのは予想できる。こういう値は計算を進めていけば自然と現れるので、最初に弄り回すのは時間の無駄だ。

第3問

空間認識能力が必要な問題。

(2)

nが単位ベクトルであることと、nDEの内積が一定であるという条件からyとzの関係式を得られる。求めるのは|y|の範囲ではなく、最大・最小値だから、実数解条件を調べるまでもない。最小値についてはy = 0で成り立つかを調べ、最大値についてはz = 0での値を調べれば完了。

第4問

(1)

a, b, cは独立に動くが、u, vはお互いにaを含んでいるので、独立ではない。

P(u, v)の範囲を求めるという事は、uとvが同時に値を持つ組み合わせを調べるという事だから、uとvの関係式を作る方法がある。

(2)

(1)の誘導を使わずに、2次方程式の解を求めて、zを最大にするa, b, cの値を代入する方が楽。

第5問

場合分けが煩雑な、確率の難問。

(1, 2)じゃんけんはゲームの勝敗を決める為に行うのだから、勝敗が決まればそれ以降はじゃんけんは行わない。つまり、(1)n < kのときはp = 0, (2)x +y > nのときはp(x, y) = 0となる。これだけ記述して逃げるのも手だ。

(3)この小問が最も易しく、(1)や(2)は誘導になっていない。

第6問

bを求めるのが難しい。(2)では、bが分からなくてもbのままで計算を進めていこう。

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