Ⅰ
アンモニアソーダ法の問題。
- 気体A: CO2
- 固体B: CaO
- 化合物C: NaHCO3
問2
(i)
- Clは青緑色の炎色反応を示す
- Naは黄色の炎色反応を示す
- NaCl +AgNO3 → AgCl↓ +NaNO3
- H2S と反応して硫化物となり黒色沈殿を生じる金属はPb, Cu, Agなど。
(ii)
マニアックな問題。尿素は二酸化炭素とアンモニアを高圧下で反応させる。高分子化合物の尿素樹脂は、二つのアミノ基がホルムアルデヒドと脱水縮合して繋がっている。
問4
結晶の蒸気圧が空気の水蒸気圧より高いと風解が進む。潮解はその逆の反応。
問5
状態図の曲線は蒸気圧曲線、融解曲線、昇華圧曲線に分けられる。
問7
金属結晶の構造には主に面心立方格子、体心立方格子、六方最密構造がある。イオン結晶の構造には主にCsCl型とNaCl型がある。
問題のイオン結晶はCsCl型である。 CsCl型と 体心立方格子はよく似ているが違う。金属結晶の構成粒子は全て半径が同じだがイオン結晶の場合は異なっている。
解く際は陽イオンと陰イオンが混交する場合もあるので簡単に図にすると良い。
問8
イオン結晶を例えると、磁石のS極とN極が交互に取り付けられた板を、二枚重ね合わせたようなものだ。板同士のS極とN極 が引き合ってくっ付いているが、この板同士をずらすと同磁極が向かい合うため反発して剥がれ易くなる。
Ⅱ
問3
FeCl +3H2O → Fe(OH)3 +3HCl
金属元素は水と反応して塩基性酸化物になる(Al, Zn, Sn, Pbは両性酸化物)。逆に非金属元素は酸性酸化物になる。化学のグルメが詳しい。
OH– イオンはアルカリ金属、アルカリ土類金属以外のすべての陽イオンと沈殿を生じる。ちなみにFe(OH)3 は赤褐色だがFe(OH)2は淡緑色だ。
水を沸騰させているのは、この反応が「発熱を伴う中和反応」の逆反応だからだ。
問4
(i)
親水コロイドと疎水コロイドの見分け方は、親水コロイドは極性があり有機物(デンプンなど)。疎水コロイドはその逆(粘土など)。
分子コロイドとは、タンパク質や寒天、ゼラチンに代表される高分子のコロイドのことだ。
保護コロイドとは、親水コロイドが疎水コロイドを取り囲む事で凝析を防ぐ場合に言う。例は墨汁の膠や写真フィルムのゼラチン。
(iii)
Fe(OH)3 が正に帯電する理由は調べた限り諸説あるが、塩酸の影響というのが専門家の説明。
問6
袋から流出したCl– が金属イオンと化合して沈殿を生じる。塩化鉛が沈殿する理由は難溶性の皮膜が生じるという特殊な理由なのだが、温水には溶解する。
Ⅲ
C6H12 はCnH2n なので「脂肪族アルケン」もしくは「一つの環式構造を持つアルカン」だ。
生成物のアルコールは、元の化合物の分子式と比べると、ヒドロキシ基に加えてHが1個増えている。この事から、二重結合部分と水が付加反応したと分かる。
表1より、化合物A, Bはヘキサンを得られるので直鎖アルケン。
また、化合物Aは二種類のアルコールが得られるという事は、 二重結合が炭素骨格の真ん中には無いという事。逆に化合物Bは真ん中。
問1
臭素との付加反応で不斉炭素原子が一個のみなのでAとFは構造が確定する。
問2(iii)
- ヨードホルム反応。この反応はアルデヒドを検出する方法としてよく紹介されるが、エタノールの構造でも陽性となる知識を突いた問題。
- アニリンをジアゾ化して塩化ベンゼンジアゾニウムを作る材料。
- アルデヒドに用いて銀鏡反応を呈する。
- アルコールは単体のNaと反応して水素が発生し、ナトリウムアルコキシド R-ONa になる。化合物Iはエーテルなので反応しない。
- フェーリング反応はアルデヒドを加えて穏やかに加熱すると酸化銅(I)の赤色沈殿を生じる。
問3
二重結合部分は回転できない為、シス-トランス異性体が生じる。
問4
メチル基を二つ持つ事と、メチル基のHとBrを置換した分子に不斉炭素原子がある事で絞り込む。
問5
シクロヘキサンの表記は、CH2 を明記する方法とただの正六角形を描く方法があるが、どちらでも正答だろう。