Ⅰ
各操作段階での温度、圧力、体積が目まぐるしく変わるので注意。各段階でメモするのも良いだろう。
問2
銅は遷移元素なので複数の酸化数を持つ。ちなみに鉄もFe2+とFe3+の二種類がある事で有名。
CuOは黒色。 Cu2Oは赤いが、フェーリング液が還元されて生じる赤色沈殿もこれだ。
問3
標準状態の気圧は1.01 ×105Paだ。日常では1013″ヘクトパスカル”という単位が使われるが、ヘクトが100倍を表している。
問5
操作2ではCu→CuOへの反応が完全には進んでいない。明確な記述は無いので注意。
したがって、反応分と未反応分をそれぞれ計算する必要がある。
問6
与えられた溶解度の情報に当てはめるだけではなく、圧力や温度の変化を考慮する必要がある。
コックを開くと体積が3倍になるのでそれぞれの気体の分圧は1/3になる。また温度も当初の0℃から20℃に変わっているのでボイル・シャルル則を利用する。
問7
(i)
酸化還元反応なので、半反応式から作っていく。半反応式を考えないと「3Cu +2HNO3 → 2NO +H2O +3CuO」などの式が出来てしまうが、イオン結合と水の生成が優先されるのであり得ない。
希硝酸は酸化剤として作用した後NOを生じる。ちなみに濃硝酸はNO2 だ。
気体は一般的に無色だが、F2は淡黄色、Cl2は黄緑色 、NO2は赤褐色、O3は淡青色。
(iii)
イオン化傾向がH2 より大きい金属は、HClとの反応において、H+ に電子を与えて気体H2 を発生させC– とイオン結合する。 H2 より小さい金属はこの反応が起きないが、硝酸はH2 より酸化力が強いので反応する。
Ⅱ
問3
(ii)より高温・低圧である場合に理想気体に近づく。
(iii)実在気体と理想気体を対比した記述が好ましい。理想気体より体積が小さい原因は分子間力、大きい原因はその分子の体積である。
問4
(i) 過冷却とは活性化エネルギーの一種である。液体が凝固するという事は即ち結晶を作るという事なのだが、結晶を作るには「核」の存在が必要となる。この核は単に凝固点まで温度を下げても中々作られないので過冷却が起きる。ある程度まで冷却されると核が生成し、過冷却されていた分の溶媒の凝固が一気に進むのだ。その後は徐々に凝固していく。
(ii) 溶質の凝固が進むにつれて、溶液の濃度は上がっていく。これは凝固点が次第に降下していく事を意味する。
(iii) この凝固点降下は、過冷却とその分一気に進んだ凝固が起きていた間にも進んでいる。
(iv)500g、0.04mol(電離している為)という数値でモル凝固点降下の式に代入すると凝固点は”-0.15℃”となるので-0.4℃では全ての水が凝固していそうだが、凝固が進むにつれて質量モル濃度が高まり凝固点降下が起き、実際は水は残っている。図3で言えば -0.4℃はTd~Te の間にある温度だ。この問題を解くには温度低下する水をイメージするとよい。温度が0℃の時は凝固点と一致していないが-0.15℃の時に一致して、それ以降常に一致している。つまり-0.4℃の時に生じた氷の質量をx(g)とおくと、500-x(g)の水の凝固点が -0.4℃である。
問5
(ii)(iii)気体定数の値は表紙に書かれている。飽和蒸気圧に注意して状態方程式を解くだけ。
Ⅲ
問題文を通して読んでみても情報が多すぎて纏めるのが難しいので、小問を素直に逐次解いていくのが良さそうだ。
2)は、「アニリン+亜硝酸ナトリウム+塩酸⇒塩化ベンゼンジアゾニウム(染料の材料)」の製法に似ている。また塩化ベンゼンジアゾニウムは5℃以上でフェノールに分解する。化合物Aはアミノ基、Dはヒドロキシ基を持っているようだ。
系統分析の文章は構造決定には役立たない。
問1
- 単体のナトリウムはヒドロキシ基と反応して水素を発生する。
- 硫酸銅(Ⅱ)無水物は白色だが、水和物になると青くなる。
- 塩化鉄(Ⅲ)水溶液はフェノール類と反応し、フェノールで紫色、o-クレゾールで青色、サリチル酸で赤紫色になる。
- フェーリング液にアルデヒドを加えて穏やかに加熱すると酸化銅(Ⅰ)の赤色沈殿を生じる。
- ニンヒドリン水溶液にアミノ酸を加えて加熱すると紫色になる。指紋検出などに利用されている。
- ハロゲンを銅線に付着させて炎にかざすと、ハロゲン化銅として気化し青緑色の炎色反応を示す(バイルシュタイン試験)。
問4
分子量150以下で且つ(5)で300mgと書かれているので、分子量は150に違いないと察せる。なのでHの数は252 /2 /9 = 14。Cは880 /2 *3 /11 /12 = 10だ。
不斉炭素原子があるので構造確定。
問5
アミノ基と別の置換基は、化合物Dと同じなので構造確定。
問6
(3)によると、置換基を除くベンゼン環と塩素を合わせた分子量は111.5だ。
また、Brを反応させて分子量が159.8増加したという事は、Brが丁度2個分なので2Brの付加反応である。ベンゼン環を暗所で付加反応させることは出来ないので炭素の二重結合を持つ。
問8からも二重結合があると読み取れる。
分子量150以下なので構造確定。
問7
化合物C, D はNaOHと反応して水層2でそれぞれ置換基がCOONa, ONaの塩となっている。
二酸化炭素を吹き込む事で炭酸となるので、弱酸遊離反応を起こす。酸の強さは「スルホン酸>カルボン酸>炭酸>フェノール」なので化合物CDのONa がOHになりエーテル層へ溶ける。
構造決定の問題では酸の強さはよく出るようだ。
問9
付加重合では、材料となる分子は二重結合を持つ。
- 付加重合
- アミド結合。材料の名前からも分かる。
- 付加重合
- 付加重合
- 開環重合
- 脱水縮合。エチレングリコールはアルコールなので分かる。
- アミド結合。材料の名前からも分かる。