生成AIが社会にもたらす影響の予測

教育業界

研究開発のように学習データが無い分野はAIに代替されない。ただし、そういった分野の職業は必要とされる知識やスキルが高い。AIの発展に伴い、労働市場において要求される知識やスキルの水準は飛躍的に高まると予想される。

一方で我が国の現行の教育制度は、学生に受験勉強という役に立たない勉強に莫大な費用と時間を課す非効率なものである。さらに大学教育は、その本来の目的を消失して専ら就職先へのシグナリングの役割を担っており、知識もスキルもない成人を社会に送り出すシステムと堕している。

我が国の教育制度は今後の社会の要請に応える人材を生み出すことはできず、改革を余儀なくされるか、民間の教育システムに代替されることになるだろう。

企業規模別の影響

洗練された企業のメソッドが手軽に使えるようになる。レベルの低い企業の水準が高まり、競争が激化する。小規模な企業に有利に働く。

マッキンゼーのように長年にわたって業務データを蓄積している企業はAI化を自ら推進し、人件費を削減して収益率を劇的に高めるだろう。AI化の影響下にある業界の中でも、データを持つ者と持たざる者の間で明暗が分かれることになる。

IoTへの影響

ハードウェアに推論能力のあるAIを組み込むと、バグ修正や機能追加を自律的に行うことができるようになるかもしれない。

するとメンテナンスが不要となるのでソフトウェアエンジニアの仕事が激減するかもしれない。さらにインターネットに繋ぐ必要がなくなるので乗っ取り等のリスクがなくなる。

総合

指示に忠実に従うだけの人間はAIの下位互換に過ぎない。主体性の弱い日本人には不利な時代だ。

学習データを販売するビジネスも隆盛しそうだ。

政治

政治には自由競争がないため、AIの発達の影響を最も受けない分野である。

既得権益を守ろうとする政治体制を持つ国はAIによる発展が遅れる。

AI開発は米国と中国が先行しており、今後もその傾向は続くが、両国が独自のAGIを保有しその他の国に対して桁違いの国力を有する「超超大国」として君臨する可能性がある。日本人としては米国へ移住して勝ち組になるべきだろう。

軍事

KPMG: 生成AI時代における地政学的パラダイムシフト

倫理

AIは、言語や学問体系といった、あらゆる人々が同意できる事実について考えて答えを出すことができる。しかしAIには感情を持たないので、一貫した情動を表現することはできないのではないか。

AIがメガネやイヤホンといった装身具に埋め込まれるようになると、そこから常にデータ収集して日常的にアドバイスするようになる。政治的な意図を持つ組織が、個人を操るために思想的に偏ったAIを搭載させることが考えられる。

AIが裁判官や政治家の意思決定を代替するとなると、その意思決定の元になる入力データをどう選ぶかが議論されるようになるだろう。

AGIの用途

アメリカではAGIの開発が急速に進んでいるが、そのビジネス上の需要は大きくないように思われる。そこで用途について考えてみた。

  • 行政機関の無人化
  • AIが国家全体の需給管理をする「超大規模かつ超低コストな政府」が生じる

軍事

米中のAI開発競争には安全保障の意味合いがある。米露冷戦のように消耗戦になりながらも同盟国や軍需産業は恩恵を受けることになる。

アメリカがAGI開発競争に勝ち、覇権を不動のものにする局面で、中国やロシアといったアメリカの敵対国が状況を打開するために軍事行動に出る可能性がある。

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