、AbemaTV にて、「特命係長 只野仁 AbemaTVオリジナル」が公開された。
只野シリーズは、5年前に「ファイナル」が放送されて以来の放送だ。
私はドラマは殆ど観ないが、「特命係長・只野仁」は好きだった。
私は、「ファイナル」が文字通り最後の作品だろうと思っていて、しかも高橋克典は役柄に対して既に老け過ぎているので、「もう続編は無い」と信じていた。故に良い意味で裏切られた。
主要登場人物の役者
各登場人物の役者は、殆どが今までと同じ人だ。
只野シリーズが誕生してから10年以上が経っているが、高橋克典、櫻井淳子、三浦理恵子、梅宮辰夫は余り老けていない。
特に梅宮は半年前に癌の手術を行っている。その影響なのか、舌の回りがあまり良くなく聞き取りづらい部分もあるが、容貌は今まで通りだ。
映像は緑掛かっているのだが、これは役者の皺を出来る限り隠す工夫ではないだろうか。
永井大は只野の弟分としては似つかわしくないオジサンの容貌になり、田山涼成は頭がかなり寂しくなった。
これまでは「山吹一恵」役で蛯原友里が出演していたが、代わりに坂田梨香子が「吉川由梨」役で出演した。坂田は蛯原と同じくCanCam 専属モデルなので、2代目と見て良いだろう。
蛯原が出演していない理由として考えられるのは、「37歳なので役柄に合わない」「子育てが忙しい」という2点だ。
話の内容
社会の不条理、勧善懲悪、お色気といった只野シリーズの特徴は受け継がれている。
第1話は、2020年東京五輪の紋章を巡る問題の世相風刺になっているのが面白い。作中では、「ワールドスポーツ in TOKYO」が東京五輪に対応付けられており、その大会の「紋章の意匠」が話の流れに関わっている。
但し、東京五輪の紋章を巡る問題は、AbemaTV と資本関係にあるテレビ朝日が焚き付けた要素は強いので、自作自演の要素もある事は忘れてはならない。
第2話は、双子役としてザ・たっちを起用したために最初からネタバレしていて詰まらなかった。それにザ・たっちは演技力が低かった。
第3話では、第1話から屡々描写されていた黒川会長の新しい趣味が伏線となっていたのが面白かった。
第4話では、只野は格闘シーンでバック転等の史上最高の躍動を見せた。但しそれはパンダのキグルミを被った状態であり、素顔は伏せられていた。高橋克典は52歳であり、あれ程の動きをすることは流石に無理だろうから、この場面では別人が只野役を務めたに違いない。
只野シリーズは、第4期を除いてporno 女優のお色気場面が有るのがお決まりなのだが、今回は高橋しょう子(梶山奈々 役)、七海なな(きょうこ 役)等の豪華(?)な役者を起用していながら乳房の露出は全く無かった。「アクションもお色気もパワーアップ」と宣伝していたが、実態はパワーダウンだった。
私は彼女らの演技力に不満を覚えなかった。
黒川会長が観ていた「釣りチャンネル」や第4話で出た「妄想マンデー」はAbemaTV の番組だった。「釣りチャンネル」は第3話の内容の展開に欠かせない為、AbemaTV 編只野の制作には、初めからAbemaTV の番組を宣伝する目的が組み込まれていたようだ。