〔1〕
「解と係数の関係」を活用する小問が多い。根号を含む解となる二次方程式を扱う問題は、「解と係数の関係」を意識するとよいという事だ。
誘導が非常に丁寧。
(1)
係数kの範囲を求めるので解を求める必要はなく、判別式を使えばいい。
異なる二つの正の解を持つという条件で範囲を求める方法は色々あるが、「解と係数の関係」を用いると「α +β>0且つ α β>0」と置き換えれる。
(2)
三角形の重心の座標はXG = (xA +xB +xC) /3, YG = (yA +yB +yC) /3 で表される。そのまま計算するより、解と係数の関係を利用した方が楽だ。
三角形の五心の性質は憶えると便利だ。
(3)
座標系の三角形の面積を求めるにはサラスの公式が有用。これと「解と係数の関係」を組み合わせる事で難なく答えが出る。
SではなくS2 を求めさせているのは、(4)で最大値を求める際にSは根号を含むので扱いにくいからだ。
〔2〕
(1)
y = (tan 2θ)x は係数がtan 2θ なので、x軸と作る角度が2θという事だ。
(2)
PQ = 4 sin2 θ (1 -sin θ) と表される。最大値を求める為に微分する必要があるが、そのまま微分するとcos θも含まれる式になり増減が分かり難い。したがってt = sin θ と置き換えよう。
(3)
方針によっては計算量が多くなる。それを回避するには誘導を活かすのが無難だ。三角関数を扱う問題なのでそこに着目すると良いだろう。
〔3〕
(1)
(2)を答える為の誘導。MがPQの中点であるという情報を数式に落とし込むのは自然な流れだ。
(2)
|OM|2 = |BM|2 をそのままa, b, cを含む式に置き換えて計算すると量が多くて大変。工夫する事で時間やミスを大幅に減らせる。
|OM|2 や |BM|2 の計算に時間が掛かるのは、3項式の2乗を計算しているからだ。ベクトルを分解してOB を含む式に置き換えると上手くいく。これは(3)でも活かせる。
(3)
OA = OC を証明した後、AB = AC または∠AOB = ∠BOCを証明すればよい。
a・b = b・c である事からcos ∠AOB = cos ∠BOC が導ける。MがPQの中点という事はMが立体内に存在するという事だから、∠AOB = ∠BOC と断定できるわけだ。
〔6〕
(1)
図形的に解くと、虚軸に線対称な同半径の二つの円の交点として説明できる。
代数学的に解くと、両辺は絶対値を表しているので二乗して解く事で説明できる。
(2)
与式をzについて解いた後、(1)で与えられた式に代入して解いていく。
(1)の誘導が無いなら、虚軸上にあるという情報を「z = –z (z ≠ 0)」などと表現して等式を立てていく事になる。いずれにしても、 虚軸上にあるという条件をどう表現するかがカギだ。
この問題の場合は、(z +1) /z = 1 +1 /z として、z = bi を代入するだけでグラフが書ける。
(3)
これも与式をzについて解き、zが虚軸上にあるという情報を数式に組み込む。ここでは(1)で与えられた式を利用すればいい。
複素数平面の問題は、与えられた条件で表される図形は直線、円、放物線くらいしかない。この問題を解いていくとwの次数が2となるが、これは円である事を示唆している。この場合は平方完成により半径と中心が分かる。