Windows対応web browser おすすめランキング 2017-10号

Windows 対応web browser の、世界一マニアックなおすすめランキング。(号 #10)

browser 利用者比

直近3カ月の世界に於けるweb browser の利用者比を考察する。情報源はNet Applications の調査

Chrome は相変わらずの増加傾向にあり、遂に6割に達しそうだが、増加率は鈍っている。

Firefox は近頃の努力が効果を上げている様で、増加を続けている。そして、11月には「Firefox Quantum」が公開される。上手く行けば、Chrome の利用者比を減少に転じさせるだろう。但し、「多くの拡張機能が使えなくなる」という不安要因もあってどう転ぶかは分からない。今後が気になるところだ。

IE は大きく減り続けているが、それでも未だに利用者数はFirefox より多い。

それでは、本題のbrowser ランキングを紹介しよう。

第5位:Ancia (y-kurimoto)

特徴
  • IE の派生
  • 日本人による個人開発。
  • 知名度が非常に低い。
  • RAM 消費量が少ない。
  • 拡張機能は使えないが、機能は豊富。
  • install が不要。
対応OS XP 以降
HTML RENDERING ENGINE Trident
安全性 ★★★★★
IE 系。
安定性 ★★★★★
試用版ながら不具合は少ない。RAM 消費量が非常に少ない。
機能性 ★★☆☆☆
拡張機能は使えないが、様々な機能が用意されている。

第4位:Chrome (Google 社)

特徴
  • 利用者数は世界と日本で1位
  • Google が開発
  • Chromium 系
  • 拡張機能を利用可能。
対応OS 7 以降
HTML RENDERING ENGINE Blink
安全性 ★★★★★
Google 製品。安全性の更新頻度は月に数回。
安定性 ★★★☆☆
不具合が少ない。Chromium 系なのでRAM 消費量が多い。
機能性 ★★★★☆
Chromeウェブストアが利用出来、拡張性が非常に高い。
address bar の文字が小さい。

※類似品: Vivaldi

前号から順位を維持して8号連続の入賞。

第3位:Kinza (Dayz 社)

特徴
  • 日本企業が開発
  • 知名度が低い。
  • Chromium 系
  • Chrome の機能性における弱点を克服している。
HTML rendering engine Blink
対応OS 7 以降
安全性 ★★★★☆
Chromium の版が少し遅れている。
安定性 ★★★☆☆
不具合が少ない。Chromium 系なのでRAM 消費量は多い。
機能性 ★★★★★
Chrome web store を利用出来、拡張性が非常に高い。
tab の閉じるbutton を消せる。tab を右click して閉じれる。
新規tab に「よく見るpage」を表示できる。
address bar の文字が小さい。
HTML5 の対応に少し難がある。

3号連続の3位。

第2位:Firefox (Mozilla Foundation)

特徴
  • 利用者数は世界と日本で3位
  • 14年の歴史がある。
  • 拡張機能が利用可能。
対応OS XP 以降
HTML rendering engine Gecko
安全性 ★★★★☆
安全性更新の頻度は2ヶ月に1回程度。
安定性 ★★★★☆
不具合が少ない。
機能性 ★★★★★
Firefox add-on を利用出来、拡張性が非常に高い。

※類似品: Waterfox, Tor Browser, Cyberfox

創刊号からランクインし続けている。今まで6連覇していたが、7連覇はならなかった。

今まで私は本browser の安全性を5点と評価してきたが、今回は4点とした。その理由は本browser の安全性が下がったという事ではなく、評価基準を厳しくしたからだ。

第1位:Pale Moon (Moonchild)

特徴
  • Firefox の派生で、各OS に最適化されている。
  • 独自のrendering engine 「Goanna」を搭載している。
  • 拡張機能が利用可能。
  • Firefox から無駄な機能を削り、高機能と軽さの両立を実現している。
対応OS Vista 以降
HTML rendering engine Goanna
安全性 ★★★★☆
安全性の更新頻度は2ヶ月に一回程度。
安定性 ★★★★★
不具合が少ない。RAM 消費量が少ない。
機能性 ★★★★★
Firefox の拡張機能を利用出来、拡張性が高い。但し互換性の無い物も有る。

7号ぶり4度目の一位。

11月に公開される「Firefox 57」は「Firefox Quantum」という別名を持ち、著しい高速化を果たしたという。これ以前にもFirefox は高速化に力を注いできた。この様な経緯からは、Firefox 開発陣のChrome の覇権に押されっぱなしの現状への強い危機感を察することが出来る。Firefox は一般人には「遅い」という印象を持たれている様だが、実際は然程遅い訳ではない。著しい高速化を果たしたとは言っても「Firefox Quantum」という名称は大袈裟だと思うが、一般人の「遅い」という印象を振り切るのが狙いなのだろう。
57版は、multi-process でRAM 消費量が非常に多い。要するにChrome にソックリなのだが、対応している拡張機能が少ないので暫くは「Chrome の劣化版」の座に甘んじることになりそうだ。次号では順位を更に下げることになるかもしれない。私としては、早さより安全性をより高めて欲しい。
57版で既存の拡張機能が使えなくなると困る場合は、ESR を使うと良い。こちらは安全性の保障付きで後半年使える。

Firefox の仕様変更に因って、Firefox 派生browser も大きな影響を受けている。
Cyberfox は開発が終了する事になった。開発陣はWaterfox やPale Moon の開発に参加すると良いと思う。
Waterfox の元々の売りは「64bit 対応」だったが、2年前に本家のFirefox に64bit 版が登場した事に因り、その存在意義が殆ど無くなっていた。Firefox が今後は旧式の拡張機能を切り捨てるに当って、Waterfox は旧式の拡張機能に対応するという。新しく、強い存在意義が産まれた訳だ。Cyberfox が開発終了となる事も合わせて、今後は存在感を強めるだろう。
Pale Moon は今回のFirefox の仕様変更の影響を受けない。

Edge は以前より拡張機能が増えたが、不要なものばかりで、「JS の動作の是非を切り替える」といった基本的な拡張機能が未だに用意されていない。
browser を起動するとwindpw が何故か2個起動する事があったりと、安定性も低い。マトモに使える製品になるまでに、この調子ではあと1年は掛かりそうだ。

「Sushi Browser」というbrowser を日本人が作ったようだ。しかし、更新頻度把握できなかったので本順位表には掲載しなかった。

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